- お坊さんのお経や話を聞いていると眠くなる。
- お葬式や法事で眠くなる自分は『人』として問題があるのかな?
- なぜ、お坊さんのお経や話を聞いていると眠くなるんだろう?
お葬式や法事では、お坊さんがお経を読んだり、参列者に向けていろんな話をします。
あなたは、お坊さんのお経や話を聞いていて、
ということはありませんか?
眠くなっていることが他の人にバレないように頑張るんですけど、少しでも気を抜くと頭がカクンッとなりますよね。
でも、べつにそれはあまり気にしなくてもいいんですよ、お坊さんのお経や話を聞いて眠くなるのは仕方ないことですから。
なぜなら、あなたが眠くなってしまうのは、ほとんど『お坊さんが原因』だからです。
この記事では、
- お坊さんのお経や話を聞くと眠くなる理由
- お経や話を聞いても眠くならないようにする方法
- 眠くなっている人を見た時のお坊さんの心理
について詳しく解説しています。
最後まで読んでいただければ、もしお葬式や法事で眠くなったとしても「これは仕方のないことだ」と、何も気にすることなく割り切ることができますよ。
お坊さんのお経や話(法話)を聞くと眠くなる理由
あなたにとって、【お葬式や法事でお坊さんがしていること】といえば、
- 聞いても意味が分からないお経を読む
- ムズかしくてよく分からない話をする
ですよね?
それらを聞いているうちに【強い眠気】に襲われたことがあるでしょう。
その時あなたは、
と思いながらも、いつの間にか目を閉じています。
お葬式や法事というのは、故人を偲んで供養をする大事な場面なのに、どうしようもなく眠くなってしまうんですよね。
もしかすると、あなたは、
なんて自分を責めていませんか?
では、お坊さんとして言わせてもらいますと、お坊さんのお経や話を聞いて眠くなるのは仕方ないことですよ。
なぜなら、眠くなってしまう原因はお坊さんにあるからです。
言ってみれば、お坊さんの方があなたに眠気を与えているようなもので、ましてや眠くなることとあなたの人間性はまったく関係ありませんのでご安心ください。
お経を聞くと眠くなる理由
あなたは、お坊さんがお経を読んでいるのを聞いても、その内容や意味が分かりませんよね?
お経を聞いて眠くなるのは、聞いても意味が分からないからなのです。
経本(お経が書いてある本)にはズラーッと漢字が並んでおり、お経を読むときにはそれらの漢字をすべて【音読み】するのですが、【音読み】というのは聞いただけでは意味が分からないんですよね。
例えば、あなたは『サンセキ』という言葉を聞いて、それがどのような意味だと思いますか?
『山積』でしょうか?
それとも『参席』でしょうか?
あるいは『三隻』でしょうか?
このように【音読み】というのは聞いただけでは意味が分からないのです。
これがもしも『やまづみ』と【訓読み】で聞けば、『山積』の意味とつながります。
それなのに、お経はひたすら一定の音程とリズムで【音読み】をするもんですから、聞いている方はさっぱり意味が分かりません。
聞いても意味が分からない【お経を読む声】なんて【ただの単調な音】にすぎないので、そんなもんをずっと聞いてりゃ退屈になりますし、いずれ眠くなるのが当たり前なんです。
しかしながら、お経は読み方が決められているんですよね。
私たちお坊さんだって「これじゃ眠くなっても仕方ないよな。」と思いながらお経を読んでいますから、眠くなったら無理に起きていなくていいですよ。
でも、ここであなたに1つ伝えたい。
お経というのは【故人の供養のためだけ】に読むのではありません。
じつは、お経を聞くと、あなたにもご利益があるんですよ。
しかも何と、お経の意味が分からなくても聞いているだけでご利益があるんです。
お坊さんは、【故人】と【その場にいるすべての人】にご利益があるようにお経を読んでいます。
なので、眠くなる気持ちはよく分かりますが、眠ってしまうとせっかくの『お経のご利益』を取りこぼしてしまうのでもったいないですよ。
お坊さんの話(法話)を聞くと眠くなる理由
お葬式や法事で眠くなるのは【お経を聞いているとき】だけではありません。
他にも、お坊さんの話(法話)を聞いているときに眠くなってしまう人が多いんですよね。
こうなってしまう原因は1つしかありません。
それは、どう考えてもお坊さんの話術面での実力不足です。
あなたは、お坊さんの話を聞いて、
と思ったことはありませんか?
もしもそういう経験があるなら、そのお坊さんは私と同じで『話術のレベル』が低いんです、カンタンに言えば【話が下手なお坊さん】ですね。
私のような【話が下手なお坊さん】には、
- 使う単語が難しい(専門的)
- 口調やテンポがずっと同じでメリハリがない
- 身ぶりや手ぶりが少ない
- 分かりやすい例え話がない
といった特徴があります。
私もできるだけ気をつけてはいるんですけど、どうしても上記のような症状が出てしまうんですよね。
それでも、少しくらい『話術のレベル』が低くても、話の内容が面白ければちゃんと聞いてもらえるんです。
聞いている方だって、つまらない話をされるとものすごく退屈になって、そのうちお坊さんの話し声が【単調な音】に聴こえてくるでしょう。
そうなると、後はもう眠気との闘いになってしまいます。
ですから、お坊さんの話を聞いて眠くなってしまっても、それはあなたのせいではなく完全に【話が下手なお坊さん】に原因があるのです。
お経や話を聞いて眠くならないようにする対処法
お坊さんのお経や話を聞いて眠くなってしまうのは仕方ないことです。
そうはいっても、他の人の前であまり露骨に眠そうな態度はできないですよね?
眠くならなければ、それに越したことはないわけです。
じゃあ、どうすれば眠くならずにすむのでしょうか?
前日にはしっかりと睡眠をとる
眠くならないようにする方法の1つめは、前日にはしっかりと睡眠をとることです。
これは、ものすごく当たり前のことであり、基本中の基本です。
お葬式や法事の会場というのは、あなたの自宅近くとは限らず、場合によってはあなたの自宅から遠く離れた場所になってしまうかもしれません。
そうすると、まず長時間の移動で疲れてしまいますよね。
さらに、お葬式や法事といった場面は意外と『緊張』をするので、あなたが自分で思っているよりも心身ともに疲れてしまうものです。
それでも、ほとんどの人は疲れた状態でも『お焼香』をするまでは意外と気を張っているのですが、お焼香が終わると安心して気がユルみますから、そこからが眠気との闘いです。
移動と緊張で疲れているところに、意味の分からないお経や面白くもない話を聞くわけですから、眠くなるなという方が無理なんですよね。
ですから、普段よりも『疲労』することを考えて、前日にはしっかりと睡眠をとっておかなきゃいけません。
できれば、いつもより2時間くらい多く睡眠時間を取るように心がけましょう。
法要の会場内にあるものをじっくりと観察する
お経や話を聞いて眠くなってしまうのは、要するにそれに対して『興味がわかない』からなんですよね。
意味の分からないお経なんかに興味はわきませんし、面白くない話にだってもちろん興味なんてわくはずがありません。
じゃあ何に対して興味をもてばいいんだ?って話ですが、法要の会場内にあるものをじっくり観察してみるのはどうでしょうか?
お葬式や法事の会場となっている場所には、普段はあまり見ないようなものがたくさんあります。
会場がお寺であれば、それこそいろんな仏具などがあるので、見ていて飽きることはないでしょう。
それらを1つずつじっくり観察すると意外と面白いですよ。
きっと、
- 「この飾りにはどんな意味があるんだろう?」
- 「当たり前のように行なっているものは、本当に必要なんだろうか?」
- 「これって値段はいくらするのかな?」
など、いろんな疑問や興味が出てきます。
そしたら、眠くなるような暇がなく、いつの間にか法要も終わっています。
とはいえ、お葬式や法事は『故人の供養』が目的ですから、会場内のものを観察するのではなく、本当なら故人との思い出を振り返りながら【故人の冥福を祈る】ことに集中してほしいものです。
お坊さんである私としては、あなたには「故人のことを思い出していたら、いつの間にか法要が終わっていたなぁ。」というふうになってほしいと思っています。
できるだけ目を閉じない
故人との思い出をふりかえるにあたり1つ注意してください。
それは、できるだけ目を閉じないということです。
私たちは、何かを思い出す時に【目を閉じる】ことがありますよね。
目を閉じた方が【他の余計な情報を見ないですむ】のでいろいろと思い出しやすくなるからですね。
でも、故人との思い出を振り返るときに目を閉じていると、下手をすればそのまま眠ってしまいますよ。
先ほども言いましたが、法要に参列すると心身ともに疲れてしまいますので、そんな状態で目を閉じてしまうと、後はもう眠りに向かって一直線です。
故人とのことを思い出すつもりが、いつの間にか夢の中へ誘われていくことでしょう。
なので、故人との思い出を振り返るときでも目を閉じないで、遺影をしっかりと見つめながら故人との思い出を振り返ってください。
眠そうな参列者を見ると、お坊さんはやる気が出ます
あなたが眠そうにしている姿は、じつはお坊さんからちゃんと見えています。
あくびをしている姿や、頭をカックンとさせている姿、それくらいの動きは見えるんですよ。
お葬式の式場などには、お坊さん専用の【銀色の香炉】が置いてあり、その香炉はしっかりと磨かれているので、式場内の様子が香炉にしっかりと映るんですよね。
しかも、香炉の側面は曲がっているので、まるでパノラマのように広範囲が見えます。
香炉から後ろの様子を見て、誰か眠そうにしていると、お坊さんのやる気のスイッチがもう1つ入ります。
誰かが眠そうにしていると、お坊さんとしては、【眠くなるのは仕方ないことだと分かっていても、やっぱり悔しい】のです。
だから、
- 「おっ、眠そうにしているな。よっしゃ、ならば眠くならないように少しお経のボリュームを上げてやろう!」
みたいなカンジでスイッチが追加されるのです。
また、話をしている最中に眠そうにしていたら、
- 「あぁ、この話はダメなんだな。じゃあ、他の話題に変えてみよう。」
とお坊さんにとっても良い勉強になるんですよね。
なので、もしもあなたが眠くなっても、決して【お坊さんに対して失礼】なんて思わなくてもいいんです。
基本的に、眠くなるのはお坊さんが原因なのであって、それを教えてあげている、くらいの考えでいいんです。
まとめ:お経や話を聞いて眠くなるのは仕方ない
お葬式や法事のときに、お坊さんのお経や話を聞いて眠くなるのはよくあることです。
それなのに、
- 「亡くなった人を供養している最中に眠くなるなんて、もしかして自分は『人』として問題があるんじゃないだろうか?」
なんて気にしてしまう人がいますが、その必要はありません。
だって、眠くなってしまうのは『お坊さんが原因』なのですから。
お経というものは基本的には単調にゆっくり読みますし、話の内容だって面白くなければ、それはまるで【子守歌】のように聞こえます。
そして、同じお経や話を聞いても、人それぞれで感じ方が違うので、【眠くなる人】と【眠くならない人】がいるんですよね。
だから、お経や話を聞いて眠くなるのは仕方ないことなのです。
決してあなたの人間性の問題ではありませんので安心をしてください。
それに、少なくとも私たちお坊さんは、眠そうにしている人をみても怒りませんし、むしろヤル気が出てきます。
だから、もしも眠くなってしまっても「これは仕方ないこと、自分が悪いわけじゃない!」と割り切って大丈夫です。
私たちお坊さんも、できるだけ参列者の皆さんが眠くならない法要ができるように努力します!