お坊さんが木魚を叩く理由。木魚の意味と叩き方も解説。

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木魚を叩く意味

お坊さんが木魚を叩くのを見て「木魚にはどんな意味があるんだろう?」と思いませんか?

お坊さんと聞けば【木魚を叩いてお経を読む姿】をイメージする人は多いですが、木魚の意味を知っている人はほとんどいません。

じつは、木魚というのは『私たちの修行のため』に叩いているのです。

この記事を読むと、

  • 木魚を叩くことの意味
  • 木魚の由来
  • 木魚の叩き方

が分かります。

他の人があまり知らない【木魚】について分かりやすく説明しましたので最後まで読んでみてください。

ちょっき
内容が少しマニアックですが、興味のある方には喜んでもらえる記事になっています。
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木魚は『梵音具』の一つ

仏具にはいろんな『鳴り物』があります。

例えば、

  • 除夜の鐘でゴ~ン!と鳴る『梵鐘(ぼんしょう)』
  • チ~ン♪と鳴る『お鈴』
  • グヮ~ン!と鳴る『銅鑼(どら)』
  • ドン!ドン!と鳴る『太鼓(たいこ)』
  • お堂の入口でカン!カン!と鳴る『鰐口(わにぐち)』

などです。

これらの『鳴り物』の仏具を【梵音具(ぼんおんぐ)】といいます。

ちょっき
木魚もこの梵音具の1つですよ。

梵音具の【梵】という字には《穢れがなく澄みきった清らかなもの》という意味があります。

なので、梵音具というのは『清らかな音』を出すための仏具で、梵音具を使うことにより【音が届く範囲がすべて清められる】と考えています。

つまり、梵音具である木魚を叩くことによって【その場を清めている】わけです。

また、梵音具には大きな音の出るものが多いですが、これは清らかな音をできるだけ広い範囲に届けたいからなんです。

お坊さんが木魚を叩く意味

多くの人は、お坊さんといえば【木魚を叩きながらお経を読む】というイメージを持っています。

そして、実際に多くのお寺では木魚を使用しています。

では、お坊さんが木魚を叩くことにはどんな意味があるのでしょうか。

魚のように『寝る間を惜しんで修行します』という意味

木魚は、文字どおり、木を《魚の形》に彫った梵音具です。

とはいえ、木魚は丸い形をしていますし、パッと見はあまり魚っぽくないですよね?

ところが、近くでよ~く見るとウロコなどがちゃんと彫刻されています。

ちょっき
丸い形なのは、叩いたときにより音を響かせるためです。

では、なぜ【魚】なのか?他の動物ではダメなのでしょうか?

じつは、魚の特徴がお坊さんにとっての手本となるため、他の動物ではなく【魚】なのです。

魚は『まばたき』をしない生き物で、それがまるで【全然寝ていない】ように見えます。

これを見習って、お坊さんは木魚を叩いて「私も魚のように寝る間を惜しんで、一生懸命に修行します!」という意思表示をしているんです。

だから、木魚というのは【自分の修行のため】に叩くものであって【亡くなった人のため】ではないんですよね。

お経のリズムをとる

お坊さんは基本的に、木魚を同じリズムで叩きます。

これは、お経のリズムを一定に保つためです。

というのも、複数のお坊さんで法要を行うケースがあり、そのときに何かリズムの目安になるものがないと少しずつお経がズレてしまうんですよね。

お坊さんも人間ですから、リズム感の良い人とそうでない人がいますので、キッチリとお経を合わせるために木魚のリズムに乗せてお経を読むのです。

なので、もしもリズム感の良いお坊さん達が集まっていれば木魚を使う必要がありません。

また、1人でお経を読むときにはリズムを合わせる相手がいないので木魚は不要です。

しかし、一般的に【お坊さん=木魚を叩く】というイメージが強いので、本当なら必要なくても、パフォーマンスとして使用している場合も多いのです。

眠気を覚ます

ここで、お坊さんとして1つ暴露をします。

お経を読んでいると、体調によっては『非常に眠くなる』ときがあるんですよね、ごめんなさい。

しかも、経験豊富なお坊さんであるほど眠気に襲われます。経験豊富なお坊さんはお経をすべて暗記しており、目を閉じてお経を唱えられます。

そして、目をつむってお唱えをしていると・・・眠くなってしまうんですよね。

そんなときに、お経を読むこと以外の動作があれば眠気を覚ますことができます。

そこで最適なのが【木魚】なんですね。

ちょっき
まさに魚を見習って【眠らない】ように木魚を叩くんです。

でも、経験豊富なお坊さんは木魚を叩いていても眠くなっちゃうんですよね。

木魚を叩くことさえも無意識の動きとなり、結局は眠気に襲われてしまいます。

仏の道を歩む者としてまだまだ未熟です、本当に申し訳ございません。

木魚を叩かない宗派もある

先日、信者さんのお葬式で木魚を使用せずにお勤めをしたところ、後になって親族の方から「木魚は使わないんですか?」と聞かれました。

これは、多くの人が【お坊さん=木魚を叩いてお経を読む】というイメージを持っているから出てくる疑問でしょう。

じつは、木魚はお坊さん全員が必ず使用するものではなく、木魚を叩かない宗派もあるのです。

でも、木魚を寄贈してくださる信者さんがおられるんですよね。

木魚というのは高価な仏具です、それをせっかく寄贈してくださったのに「いや、ウチの宗派は木魚を使わないんですよ。」なんて言えません。

ですから、本来なら必要ないものでもあえて使うことがあります。

木魚は『魚板(ぎょばん)』をもとに作られた

魚の形をしている仏具は他にもありますよ。

その名も『魚板(ぎょばん)』で、こちらがその画像です。

魚板は基本的に禅宗系のお寺で使われています。

じつは、木魚というのは、この魚板をもとに作られたのです。

魚板は文字どおり【魚の形をした木の板】のことですが、木魚とは違って本物の魚のような形をしており、そして魚の口は《珠》をくわえています。

魚がくわえている珠は『私たちの欲望=煩悩』を意味し、魚板はこの珠(煩悩)を吐き出そうとする姿を表してます。

ちょっき
魚は大事なものを口から吸いこんで、不要なものは吐き出しますもんね。

つまり、魚板を叩くのは煩悩を取り除くということなんですよね。

この魚板も先ほど紹介した『梵音具』の1つですが、魚板は法要の最中に使われるものではありません。

魚板は、お坊さん達に【集合する時間】であることを知らせるために使われます。

ですから、お坊さん達の日常生活でも使用されています。

魚板は食堂の入り口に吊られていることが多いので、実際のところ『食事の時間を知らせるため』に使われているんですよね。

木魚の叩き方

あなたは木魚を『お坊さんが使うもの』と思っていませんか?

じつは、木魚は誰が使ってもいいんですよ。

一般の家庭でも木魚を使っていい

あなたの家に仏壇があるなら、木魚を購入してもよいと思いますよ。

仏壇というのは【お寺の本堂】の代わりをするものなので、お寺にあるような仏具が一般の家庭にあってもいいわけです。

そして、先述しましたが、木魚は私たちが修行をするために叩きます。

仏壇に向かって手を合わせるのは立派な【仏道修行】なので、そのときに木魚を叩くのは当たり前のことなんですよね。

だから、木魚が一般の家庭にあることは何も不自然ではありません。

とはいえ、木魚はあまり大きすぎるとジャマになります。だからといって、小さすぎても良い音が出ないんですよね。

家庭用サイズとしての木魚は、しっかりした作りであれば【5寸〜6寸】くらいの大きさが音の響きを考慮しても最適ですね。

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木魚の叩き方

木魚を購入しても、どのようにして叩けばいいか分からないですよね?

ここまで読んでくれたあなたには、せっかくですから木魚の使い方を説明させていただきます。

まずは、『般若心経』など短めのお経でかまわないので【経本】を用意してください。

次に、木魚を専用の座布団に乗せてください。

座布団に乗せないと、床や木魚本体を傷つけますし、そもそも良い音も出ません。

続いて、『バイ』という棒を木魚に打ちつけて音を出しましょう。

『バイ』には【持ち手】の部分と【木魚に当てる】部分がありますので、間違えないようにしてくださいね。

触ると柔らかくて白い部分が【木魚に当てる】部分になります。

そうしたら、後はもうお経に合わせてリズムよく叩くだけです。

具体的には、経本に書いてある漢字1文字に対して1回叩くというのが基本です。

バイを木魚に当てたら、そのまま当て続けるのではなく、反動を利用して少しだけ手首を戻しましょう。

ちょっき
バイを【弾ませる】ように叩くと良い音が出ますよ。

そして、大事なコツですが、叩くときには『手首のスナップ』をちゃんと使ってください。

腕全体を使ってしまうと、すぐに腕が疲れてしまい、1つのお経を読み切る前に腕がパンパンになっちゃいますよ。

最初は難しいかもしれませんけど、10回もやれば慣れちゃいますから安心してください。

まとめ:木魚は誰でも使える『修行をするための仏具』です

お坊さんのお経に合わせてリズミカルに叩かれる【木魚】。

木魚はお葬式や法事など『故人の供養』をするときに使われますが、本来は『故人の供養』よりも『私たちの修行のため』に使用するものです。

目を閉じない魚の特徴を見習って「自分も眠る間を惜しんで修行するぞ!」という気持ちを示すために木魚を叩きます。

なので、木魚はお坊さん専用の仏具ではなく、修行者であれば誰でも使っていいんです。

ですから、よかったらあなたも仏壇の前でお経を読むときには『故人やご先祖様を敬う修行者』として木魚を使ってみてください。

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