「もしかして私、あの人に嫌われてるかも・・・」
一度こんなふうに思ってしまうと、その人と自然に接することができなくなりますよね。
でも、本当にあなたはその人から嫌われているのでしょうか?
じつは、嫌われていると思っていても、実際は『気にしすぎ』や『思い込み』ということも多いんです。
この記事では、
- あなたが自分で思うほど他人から嫌われていない理由
- 「嫌われているかも」という不安を解消する方法
について解説しています。
もっと気楽に人と付き合えるようになりますので、興味のある方は最後まで読んでみてください。

ちょっと考え方を変えれば人間関係のストレスが激減しますよ。
この記事を書いている私『ちょっき』は、お坊さん歴29年以上。お坊さんに関する裏話や、人間関係の悩みを解消する内容について発信しています。
あなたは自分が思うほど他人から嫌われてはいない
「あれっ?もしかして私、あの人に嫌われてるのかな?」
こんな心配をしているあなた。
安心してください、あなたは自分で思うほど他人から嫌われてはいません。
あなたが「◯◯さんに嫌われている」と思っているのは、ほぼ『あなたの思い込み』です。
たしかに、相手の反応が何となく《そっけない》とか、話しかけても《短い返事ばかり》だと、「何か不快な思いをさせちゃったかな?」と気になりますよね。
でも、相手が考え事をしているとき話しかけてしまったり、あるいはたまたま相手の機嫌が悪かっただけで、あなたのことを嫌っているわけではありません。
あなたは、いつでも誰にでも毎日まったく同じように人と接することができますか?おそらく、そんなことはできないでしょう。
日によっては、いつもと同じように人と接することができない気分のときもあるはず。
それは他の人だって同じです。
だから、相手にちょっと【普段と違う反応】があっても、それが『あなたのことが嫌いである』ということにはなりません。
でも、あなただけはそれをずっと気にしてしまうため、嫌われているように感じるんです。
もちろん、本当にあなたが嫌われるようなことをした可能性もあります。
しかし、ほとんどは『気にしすぎ』や『思い込み』なので、しばらくしてから再度その人に話かけてみてください。
他人から嫌われていると思ってしまう理由
他人から嫌われていると思ってしまうのには理由があります。
これは、あなただけでなく誰にでもあることです。
『あなたの思い込み』による負の連鎖
改めて言いますが、他人から嫌われていると感じるのは、ほとんどが『あなたの思い込み』です。
いつもあなたと仲良く会話をしていた人が、急にそっけない態度になったり会話が続かなくなったとしても、それは一時的なものであり、あなたが嫌われているわけではありません。
人間には『気分』がありますから、そのときの気分によって他人への対応も変化します。
普段は明るい笑顔で話してくれるAさんも、気分が沈んでいれば笑顔にはなれません。
いつもは親切に接してくれるBさんも、何か悩み事があるときは、他人にそっけない態度をとってしまうこともあるでしょう。
でも、そんなAさんやBさんを見たあなたは、「自分は嫌われているかもしれない。」と思い込みます。
そして、誤解をしたあなたは、AさんやBさんに対する態度がよそよそしくなります。
一方で、Aさんは一時的に沈んでいた気分が晴れ、Bさんも悩み事が解消して普段通りに戻りました。
しかし、AさんやBさんにとっては、あなたの態度が普段と違って【よそよそしい】ことに気がつきます。
すると、AさんとBさんは「あれっ?もしかして私、嫌われてるのかな?」と思い込みます。
こうして、お互いに「自分は嫌われているかもしれない。」と思い込むことで【負の連鎖】が始まるのです。
その後、AさんやBさんとあなたは以前のように接することができず、やがて関係が悪化していき、本当に嫌いになってしまいます。
せっかく築き上げた良好な関係を、お互いの『思い込み』のせいで崩壊させてしまうなんて、何ともったいないことでしょう。
『嫌われている証拠』を積極的に探している
もしかして、「いや、やっぱり私は嫌われてるよ。だって『いつもと違う態度』がいくつもあったから。」と思っていますか?
それはもしかして、あなたが『嫌われている証拠』を積極的に探しているだけではないですか?
もっと言うと、『嫌われている証拠』をあなた自身で作り出しているかもしれませんよ。
「自分は嫌われているかもしれない。」と思っている人は、一部の出来事だけに注目し、それを『嫌われている証拠』のように解釈してしまう傾向にあります。
例えば、
- 話をしていてあまり目が合わなかった
- 職場の同僚との会話が業務連絡など必要最低限のことだけだった
- 話しかけても『気付かないふり』をされた
みたいなことがあると、「ほら、やっぱり私は嫌われている。」と思うでしょう。
しかし、それは相手の人が『たまたまそんな状態だった』だけではないですか?
話の途中で目が合わなかったのは、相手が会話中に何かとても重要なことを思い出し、話に集中できなかったのかもしれません。
職場の同僚との会話が必要最低限だけだったのは、そのとき同僚がたくさんの仕事を抱えていて余裕がなかったのかもしれません。
話しかけても『気づかないふり』をされたのは、本当に気がつかなかったのかもしれません。
ちなみに、これらの例は私自身の経験をもとにしています。
他の人が見たら「まぁ、そんなこともあるよね。」という出来事でも、あなたはそれを『嫌われている証拠』だと捉えてしまうのではないでしょうか。
つまり、何でもない出来事を、あなたが自分で『嫌われている証拠』に作りあげてしまっている可能性があるんです。
そのような、物事の一面的な部分だけに注目し、他の側面を無視して結論づけることを『選択的抽出』といいます。
あなたが他人から嫌われていると思ったら、まずは自分が『選択的抽出』をしていないかをご確認ください。
あなたが他人のことを気にしすぎている
他人から嫌われていると心配になるのは、あなたが他人のことを気にしすぎているというのもありますよ。
あなたはちゃんと『空気を読める人』だから、他人に配慮しながら日々を過ごしているのでしょう。
でも、もういっそのこと他人を気にするのをヤメてみませんか?
他人を気にしなくなると嫌われそうに思えますが、意外とそんなことはないんです。
他人を気にしなければ、あなたと気の合う人が集まる
あなたは、みんなに好かれたいですか?
それとも、自分のことを理解してくれる人だけに好かれたいですか?
もしも後者なら、他人のことを気にするべきではありません。
というのも、あなたが他人を気にしなければ、あなたと気の合う人が集まるからです。
他人のことを気にしなければ、あなたは無理をすることなく自然体で人と接することができます。
そうすると、徐々に【あなたと合わない人】が去っていくんですよね。これはあなたのことを嫌いになって去るのではなく、各人にとって《もっと気の合う人》の所へ行くんです。
その結果、あなたの周りには『あなたと気の合う人』だけが集まってくるため、あなた自身も気楽で充実した時間を過ごせます。
人生の満足度は人間関係によって大きく変わると言われているので、いかにして日頃から【自分と気の合う人】と一緒に過ごせるかがポイントです。
仕事ではいろんな人と一緒に過ごさなくてはいけないので、少しは他人を気にすることも必要でしょう。
でも、プライベートでは他人のことなんか気にせず、あなたらしく生きた方が後悔のない人生を送れますよ。
他人を気にしなくなるための方法
他人のことを気にするなといわれても、どうやって気にしないようにすればいいのか分かりませんよね。
他人のことを気にしないためには『エクスポージャー』という方法が効果的です。
『エクスポージャー』とは、他人に見られることで感じる恐怖心や緊張に少しずつ慣れていくトレーニングのことで、『暴露療法』とも呼ばれています。
他人に嫌われているのではないかと心配になるのは【自分が他人からどう見られているのか】が気になるからです。
だから、逆に【他人からどう見られてもよい】という心理になれば他人を気にすることがなくなります。
そのためには、わざと何度も《恥ずかしい思い》をすればいいんです。
例えば、
- 書店へ行き、異性の店員に真顔で「すみません、こちらに『おなら』に関する本はありますか?」と聞く。
- コンビニでカップアイスを購入し、そのときに「このアイスをレンジで温めてください。」と、当然のように言う。
- 人通りの多い道で、スキップしながらアニメソングを大声で歌う。
などです。
このように、何度も他人から「変な人だな。」と思われることで、だんだん《恥ずかしい思い》に慣れていきます。
そして、最終的には【他人からどう見られても平気】という強い心理状態になり、他人のことが気にならなくなります。
この方法を実践するにはかなりの勇気がいりますが、どうしても他人のことばかり気になる人はやってみてください。
他人から嫌われないように努力するのは時間の無駄
あなたは自分が思うほど他人から嫌われてはいません。
それでも「できるだけ他人から嫌われないようにしたい。」と思っていますよね。
ハッキリ言うと、他人から嫌われないように努力をするのは時間の無駄だと思いますよ。
なぜなら、人間には1人あたりいくつも個性があり、どの個性が他人から嫌われるか分からないからです。
じつは、他人から好かれる個性というのは、1人あたりだいたい1~2つなんですよね。
例えば、友人などから「あなたは気が利くし、優しいよね。」みたいに言われたことはありませんか?
それは、いくつもあるあなたの個性の中から『優しい』と『気が利く』という個性が特に好かれているんです。
そして、あなたの『優しい』と『気が利く』という個性は、じつは友人だけでなく他の多くの人からも好かれています。
要するに、あなたの【他人から好かれる個性】は多くの人に共通している、ということです。
一方で、他人から嫌われるときは、あなたのどの個性が嫌われているのか分かりません。
じつは、『嫌われる個性は共通しない』という研究結果が出ています。
つまり、あなたの個性の中で、どの個性を嫌いになるかは人によって違うということです。
なので、嫌われないように1つ1つ対策していると、あまりに効率が悪すぎます。
十人十色といいますが、10人いたら10人分の『嫌われない対策』を考えなくちゃいけません。あなたに知人が100人いたら100人分の対策をすることになります。
そんな努力は必要ありません、時間の無駄です。
それよりも、あなたの【他人から好かれている個性】をどんどん伸ばしていきましょう。
その方が多くの人に好かれるため、『嫌われない対策』をするよりもよっぽど効率よく良好な人間関係を構築できますよ。
他人から嫌われることの仏教的見解は・・・
仏教には【諸行無常(しょぎょうむじょう)】という教えがあります。
これは、『すべてのものは、ずっと同じでいることはなく、常に変化し続けている』という意味です。
つまり、「常に変化していくものに執着しても意味がないし、苦しいだけだよ。」という教えなんですよね。
すべてのものが変化し続けるということは、人の気持ちも変化するということ。
他人から嫌われたように思えても、それは相手の人が【一時的に普段と違う精神状態】というだけであり、しばらくすれば元に戻るでしょう。
それに、世界中の全員があなたを好きになるなんていうことはあり得ず、どんなに他人に嫌われないよう努力をしても、必ず誰かに嫌われてしまうんですよね。
だから、他人のことばかり気にしないで、あなたが自分らしく生きていくことを考えてください。
そうすれば、自然とあなたを好きでいてくれる人たちが集まりますよ。
まとめ
あなたは自分が思うほど他人から嫌われてはいません。
嫌われていると感じるのは、ほとんど【あなたの思い込み】です。
相手の人は何らかの理由で『普段とは少し違う状態だった』だけで、べつにあなたを嫌ってはいません。
それなのに、あなたは他人のことを気にするあまり《選択的抽出》によって『嫌われている証拠』ばかりを探しているのです。
他人のことばかり気にしたり、嫌われないように努力をするのは時間の無駄です。
それよりも、あなたの【他人から好かれる個性】を伸ばし、あなたらしく自然体でいてください。
その方が、あなたと気の合う人だけが集まり、気楽で充実した人生を送れると思いますよ。
※他人に好かれたい人はこちらの記事を読んでみてください