僧侶の裏話

お坊さんが坊主頭にする理由。坊主頭のメリットとデメリット。

お坊さんはなぜ坊主頭?
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こんな人に向けて書いています
  • なぜお坊さんは坊主頭(丸刈り)にしているんだろう?
  • 坊主頭のメリットとデメリットを知りたい。
  • オレも坊主頭にしてみようかなぁ・・・。

お坊さんはいつもキレイに髪を剃って【坊主頭】にしていますよね。

でも、なぜお坊さんが坊主頭にしているのか不思議に思ったことはありませんか?

お坊さんが坊主頭にしている理由には、建前と本音の両面があります。

また、坊主頭には多くのメリットがある反面、やむを得ないデメリットもあります。

この記事では、現役僧侶の私が、

  • お坊さんが坊主頭にする理由
  • 坊主頭にすることのメリットとデメリット

について書いています。

これから【坊主頭】にしようと考えている人にも役立つ内容なので最後まで読んでみてください。

※本来であれば『お坊さん』ではなく『僧侶』と表現するべきですが、分かりやすいようにあえて『お坊さん』と表現しています。

お坊さんが坊主頭にする理由

お坊さんと聞いて『坊主頭』をイメージする人は多いです。

でも、お坊さんが坊主頭にする理由まで知っている人はほぼいません。

お坊さんが坊主頭にしているのは、

  • 余計な事に意識を向けないため
  • 俗世を離れたことを表すため

であり、これはつまり『お坊さんとしての決意』の表れでもあります。

まずは、『坊主頭』に込められたお坊さんの思いから説明していきますね。

余計なことに意識を向けないため

大変失礼ですが、あなたは最近『頭部の薄毛』が気になっているんじゃないですか?

ほら、前髪の生え際とか、あとは頭頂部なんかも少しキテるみたいだし・・・。

・・・って、こんなことを言われたら、もう髪の毛のことばかり気になってしまいますよね。

僕なら気になって眠れないですね、そのせいでまた毛が抜けるでしょう。

でも、もしも髪の毛がはじめから無かったらどうですか?

たぶん、開き直って髪の毛のことは気にせず、きっと他のことを考えていますよね。

だから、お坊さんは余計なこと(髪の毛)に意識を向けないようにするために坊主頭にするのです。

お坊さんというのは『悟りを得るために何をするべきなのか』だけを考えなきゃダメで、それ以外の余計なことを考えてるヒマはありません。

それなのに、もしも髪の毛があったら、それこそ抜け毛が気になったり、逆にフサフサでもうっとうしいわけです。

そうすると、悟りではなく髪の毛にばかり意識が向かい、それは、お坊さんとして好ましい状態ではありません。

だから、余計なことに意識を向けないようにするために、わざと髪の毛を全部刈ってしまうんです。

俗世を離れたことを表すため

お坊さんが坊主頭にする理由はもう一つあります。

それは、俗世を離れたことを表すためです。

昔の中国では【罪人の頭を丸刈りにする】という文化があり、丸刈りにされた罪人は、しばらくは世間を離れて暮らさないといけません。

この文化の影響を受けて、お坊さんは坊主頭にしています。

つまり、罪人と同じように、お坊さんは『丸刈り』にすることで俗世(世間)から離れていることを表現しているんです。

罪人もお坊さんも、それぞれ事情は違いますが『俗世を離れることを表す』という意味では共通しているわけですね。

坊主頭は、お坊さんにとっては世間を離れて『悟り』を目指すために必要な髪型であり、自分の意志を表現する髪型でもあります。

お坊さんが坊主頭にする【本当の理由】はコレ!

さて、と。

坊主頭に関する《優等生的な解説》は終わりにして、ここからは【お坊さんの本音】をお伝えしますね。

お坊さんが坊主頭にする本当の理由は『お坊さん』というイメージを保つためです。

ほとんどの人は『お坊さん』と聞けば【坊主頭】をイメージしますよね?

だから、そのイメージを崩さないためにも【お坊さん】と【坊主頭】はセットでなければいけないのです。

何でもそうですが、『イメージ』というのは本当に大事で、お坊さんの仕事に大きな影響があります。

最近では髪の長いお坊さんをチラホラ見かけるようになりましたが、昔は違う。

昔なら、髪の長いお坊さんは「何やこの中途半端な坊主は!」っていう目で見られるんですよね。

もしも、髪を伸ばして毛先なんかを遊ばせていたら、

あそこの寺の坊主はチャラチャラしやがって。あんなヤツにお経なんて読んでもらわなくていい!

となり、信者さんを1人失うでしょうね。

というわけで、お坊さんが坊主頭にしているのは、『悟り』とか『決意』とか、そんな立派な理由じゃなく、本当は坊主頭じゃないとお坊さんの仕事がやりづらいというだけなんです。

あとは、坊主頭はイメージのこと以外にもたくさんのメリットがあるので、お坊さんはずっと坊主頭でいられます。

坊主頭のメリットとデメリット

私は29年お坊さんをしてますが、坊主頭ってイイなと思うんですよね。

坊主頭にはメリットとデメリットがありますが、メリットの方がダンゼン多いです。

坊主頭のメリット

坊主頭って、最初は勇気が必要ですが、1回やったらクセになります。

あなたの周りにも何人か坊主頭の人がいませんか?

その人たちはきっと、 坊主頭にはたくさんのメリットがあることをよく知っているのです。

そんな坊主頭のメリットを、とりあえず代表的なものを挙げておきます。

暑い時期でも頭は涼しい

坊主頭というのは見た目のとおり非常に風通しがいいので、暑い時期でも頭は涼しいです。

真夏の暑い時期は、日陰で風を受けると涼しいですよね?

坊主頭の人は、あなたの1.5倍くらい涼しいんですよ、頭だけは。

坊主頭にすると、髪の毛の長さが【ほんの数ミリ】違うだけで、頭皮で感じる温度がまったく変わります。

私の場合は、

  • 【10ミリ】⇒暑い、何となく熱がこもっている感覚
  • 【2ミリ】⇒メッチャ涼しい、誰かが横を通るだけで涼しい

というカンジですね。

こればかりは実際に経験してみないと分からないと思いますが、髪の毛の【1ミリ】の威力はスゴイのです。

もしもあなたが坊主頭にしたときは、ぜひ私と同じような《爽快感》を味わってみてください。

入浴時の【シャンプー代】 【洗髪の時間】 【水道料金】を節約できる

髪の毛が短いということは、入浴時の、

  • シャンプー代
  • 洗髪の時間
  • 水道料金

を節約できるということです。

坊主頭でもちゃんと『シャンプー』を使う人は多いです、ちなみに私も使います。

べつに『ボディーソープ』でも洗えますが、やっぱり頭部はシャンプーを使いたくなるんですよね。

でも、使う量はほんの少しだけで十分なので、半プッシュすればOKなのでシャンプー代を節約できます。

それに、髪が短いのでシャンプーの泡もすぐに洗い流せますよ。

たぶん普通に髪の毛がある人の【半分の時間】で大丈夫なので、洗髪の時間を節約できます。

洗髪の時間が短いということは、それだけシャワー時間が短いということです。

だから、シャワー時間が少ない分だけ水道料金を節約できます。

これが毎日ですから、お金と時間の節約はかなり大きなものとなるんですよね。

ドライヤーがいらない

坊主頭にすると、ドライヤーがいらないですよ。

あなたは毎日、お風呂を出た後にドライヤーを何分くらいかけてますか?5分くらいでしょうか?

私は『0分』です。

お風呂を出たら、頭はタオルでササッと拭けばOK!なんなら、タオルで拭き忘れることだってあります。

ドライヤー本体を買うお金、ドライヤーをかける毎日の電気代がない上に、あなたがドライヤーをかけている時間で私は他のことができるんですよね、しかも毎日。

バリカンを使えばコスパが最強!

私は、坊主頭にするときはバリカンを使って自分で頭を刈っています。

坊主頭にする人は、バリカンを使えばコスパが最強なんですよね。

あなたは、どのくらいのペースで理容室あるいは美容室に行ってますか?1ヶ月に一度くらいでしょうか?

私はバリカンを持っているので、理容室や美容室には行きません。

あと、髪を切るのって1回あたり3,000円くらいしますよね?もっと必要ですかね?

ちなみに、私の持ってるバリカンの値段は7,000円くらいですから、あなたの散髪代金の3〜4回分でまかなえます。

バリカンは使い方が難しそうに見えますが、じつはめちゃくちゃ簡単で、付属のパーツを装着していれば誤って頭皮を切ることはありません。

ヒゲを剃るときに電気シェーバーを使えば安全ですが、あれと同じことです。

ちなみに、私はバリカンを使うようになって29年になりますが、バリカンを買い替えたのは4回で、その代金は合計で3万円くらい。

その間、あなたは髪を切るために一体どのくらいのお金と時間を使いましたか?

『ハゲ』が分かりにくい

坊主頭はハゲても分かりにくいのでいいですよ。

私は坊主頭のおかげで『ハゲている』ことが少しだけ分かりにくくなってます。

ハゲが気になりだすと、自分の髪の毛のことばかり考えてしまいます。

しかし、体質によっては、いくら気にしたところで薄毛が治ることはありません。

だから、もしも「自分はハゲる」と思ったら、勇気を出して坊主頭にすることも選択肢の1つです。

じつは、その方があなたの周りの人もホッとするんですよね。なぜなら、周りの人は『ハゲを気にしているあなた』に対して気を使っているからです。

人の印象に残りやすい

坊主頭は人の印象に残りやすいのがメリットです。

初対面の人に覚えてもらうには【見た目の特徴】がある方が有利です。

例えば、

あの人の名前は何だっけ?ほら、え〜っと『坊主頭』の人。

あぁ、あの『坊主頭』の人ね、たしか◯◯さんじゃなかった?

あ、そうそう、◯◯さんだ!

みたいなカンジで、『坊主頭』という印象が残りやすいので、他の人に比べて【覚えてもらいやすい】または【思い出してもらいやすい】んです。

つまり、坊主頭は『個性』になるので、あとは名前を憶えてもらえるように努力をすればいいだけです。

実年齢よりも若く見られる

坊主頭には意外なメリットがあります。

それは、実年齢よりも若く見られるということです。

30代や40代の人なんかは実年齢よりも5~8歳くらいは若く見られるんですよね。

人の外見の印象って、髪型でだいぶ変わりますよね?

髪の毛がある場合、髪質の状態が悪かったり薄毛気味だったりすると、かえって老けて見えてしまいます。

でも、坊主頭にすることによって、相手には【髪の毛】の情報が無くなり、見えている『顔』の情報だけが印象に残るのです。

だから、肌がキレイだったりシワが少ないといった《顔が若い人》が坊主頭にすると10歳くらい若く見られます。

また、坊主頭はとても髪が短いので、それだけ白髪も目立ちません。

白髪というのも実年齢よりも老けて見えてしまう原因の1つですが、それを切ってしまえば白髪がないのと同じです。

しかし、残念なことに50歳を過ぎると坊主頭の方が老けて見えてしまいます。

50歳を過ぎるともういい歳ですから、単純に【加齢によって髪が抜けた】ように見えるからですね。

女性に頭を触ってもらえる(※賛否両論あり)

坊主頭にしている人は増えてきましたが、それでもまだ少数派です。

そのせいか、坊主頭の人を見ると《何となく触りたくなる》という人もけっこう多いんですよね。

ですから、若い男性が坊主頭にした場合は、女性に頭を触ってもらえるということもあります。

私も若い頃は飲み会なんかで、

わ〜、なんか触ったら気持ちよさそう。ねぇ、ちょっとだけ触っていい?

なんて、何となく【得】をした気分になったのを覚えています、えぇ、もうずっと昔の話ですけどね。

女性に限らず、男性にも触られる可能性もありますが、いずれにせよ、髪型がスキンシップのきっかけになるのは坊主頭くらいでしょう。

『寝ぐせ』がつかない

坊主頭というのは、髪の毛の長さがほんの数ミリしかありません。

それはつまり、『寝ぐせ』がつかないということです。

朝起きて鏡を見たときに、派手に『寝ぐせ』がついていたらガッカリしませんか?

そのままでは仕事に行けないので、寝ぐせ直しのために朝の貴重な時間を使わなきゃいけません。

でも、坊主頭に『寝ぐせ』はつかない。厳密に言えば少しついているかもしれませんが、それに気がつく人はいないでしょう。

あなたの人生の時間から【寝ぐせ直し】という無駄な時間を取り除くことができるのは坊主頭のメリットです。

髪型に悩む必要がないし、整髪料も必要ない

坊主頭は、髪型に悩む必要がないというのもメリットです。

髪が長いと『髪型』を整える必要がありますが、坊主頭は何もしなくても髪型が整っています、乱れようがありません。

髪型が決まらないイライラから解放されて、しかもその時間を他のことに使えます。

それに、坊主頭なら整髪料が必要ないので経済的に有利。

整髪料って意外と高いですよね?あなたは年間でいくら出費していますか?

坊主頭なら年間で0円ですよ。

坊主頭のデメリット

坊主頭にすると、メリットだけでなく、もちろんデメリットもあります。

デメリットというか【注意点】という方がいいかもしれません。

ここからは、私が坊主頭で気をつけていることを紹介します。

夏の日射しには要注意

あなたもご存じのように、坊主頭はほとんど頭皮がむき出しになっています。

だから、夏の日射しには要注意なんです。

特に夏場の外出時なんかは帽子着用が必須で、頭皮をノーガードで日射しにさらすようなバカなことをしたらダメです。

日焼けで頭皮はヒリヒリするし、さらに酷ければ水ぶくれができるし、場合によっては熱中症にもなります。

そもそも、髪の毛がある人だって帽子をかぶってるくらいなんだから、坊主頭の人は帽子着用が義務みたいなものですね。

髪の毛が少ないので頭部のケガに要注意

坊主頭の人は髪の毛が少ないので頭部のケガに要注意です。

あなたは、今までに何かの角に頭をぶつけたことがありますか?

私は何度もありますよ。テーブルの下に落ちた物を拾って、姿勢を戻そうとしたときにゴンッ!ってぶつけるのは【お約束】のようになっています。

坊主頭の人は、他の人よりも『髪の毛ガード』が圧倒的に不足しているので、頭部のケガのリスクがかなり大きいです。

強めにぶつけてしまうと坊主頭の場合は軽く出血します。出血まではなかったとしても、ぶつけて出来たコブ&アザがかなり目立ちます。

私は、坊主頭になって頭をぶつけて、それでようやく【毛の役割】を実感できました。

髪を短く刈ったばかりだとTシャツの脱着時に頭が引っかかる

とても地味なデメリットですが、坊主頭は、髪を短く刈ったばかりだとTシャツの脱着時に頭が引っかかるのです。

急いでるときなんかに頭が引っかかると、まぁまぁイラっとします。

たぶん、短くてチクチクした髪の毛が、Tシャツの縫い目の中に入り込んでしまうんでしょうね

面ファスナーってご存じですか?たぶんアレと同じ原理だと思います。

顔立ちによっては怖く見える

坊主頭は、顔立ちによっては怖く見えるというのがデメリットです。

私の知り合いのお坊さんに、目尻がキリッと上がりヒゲも生やしている人がいます。

一見すると、まるでヤ◯ザで、たまに警察官から職務質問をされるんですって。

でも、その人はメチャクチャ優しくて可愛らしい一面もあるのです。

きっと、坊主頭というのが見た目の怖さをより増大させているんですよね。

坊主頭で怖い顔だと、初対面の印象としてはマイナスなので、もしかすると何かの『面接』では不利になるかもしれません。

冬場はとにかく頭が寒い

坊主頭は、冬場はとにかく頭が寒いです。

坊主頭は風通しがいいので、暑い時期はとても涼しいんですよね。

しかし、それが冬場になると事態は一変し、北風の威力を頭部全体で感じるハメになります。

なので、坊主頭にすると冬場は《帽子》が欠かせません。

つまり、真夏は日差しから頭皮を保護するために、真冬は北風の寒さから頭部を守るために、坊主頭には帽子着用が必要ということですね。

そして、帽子着用が必要となれば、それだけ服の着こなしも難しくなります。

私は『ファッションセンス』というものをどこかに置き忘れて生まれた人間なので、帽子と服を選ぶのに大変苦労しています。

まとめ

お坊さんが坊主頭にするのは、

  1. 余計な事に意識を向けないため
  2. 俗世を離れたことを表すため

という意味があるからです。

言い方を変えると、『お坊さんとしての決意』の表れですね。

本来の意味はそうなのですが、実際のところは日頃からそんなことは全然意識してません。

本音を言うと、『お坊さん』というイメージを保つために坊主頭にしてるだけです。

でも、坊主頭は、

  • 金銭面
  • 時間の有効活用

という点で髪の長い人よりも得をするので、男性にはおすすめの髪型ですよ。

ただ、【頭皮を露出させてしまう】というデメリットがあるので、日焼けやケガには注意しましょう。

お坊さんが坊主頭にしているのは、単純にいろんな面で【都合の良い髪型】だからです。

以上、お坊さんが坊主頭にしているのは、じつは【そんなに大した理由ではない】ということを、あなたにだけお伝えしました。