あなたには、苦手な人、もっと言えば【嫌いな人】はいませんか?
おそらく、1人や2人はいるのではないでしょうか。
嫌いな人とはできるだけ関わりたくないですよね。
しかし、嫌いだからといってその人を避け続けると、いつか不幸なことが起きるかもしれません。
この記事では【嫌いな相手に救われるかも?】という話を紹介しています。
『昨日の敵は今日の友』かもしれませんので興味があれば読んでみてください。
この記事を書いている私『ちょっき』は、お坊さん歴29年以上。お坊さんに関する裏話や、人間関係の悩みを解消する内容について発信しています。
嫌いな相手に救われる
あなたの知人の中にも、どうしても【嫌いな人】がいることでしょう。
しかし、その【嫌いな人】から救われることもあるのです。
こんな話があります。
昔、ある国に【虫】が大嫌いな王様がいました。
王様は特に『ハエ』と『クモ』が苦手です。
あるとき、隣国との間に争いがおき、戦いに敗れた王様は森の中に逃げ込みました。
森の中を進んでいくと、大きな木があったので、その根元に隠れ、少しだけ座って休むことに。
ところが、疲れていたこともあり、王様は眠ってしまったのです。
しばらくすると、逃げた王様を探している隣国の兵士たちの声が遠くの方から聞こえてきました。
しかし、王様は眠っているので、その声にまったく気づきません。
そんなとき、1匹のハエが王様の顔の上を飛び回りました。
王様は無意識に手で払いのけますが、ハエはずっと王様の顔の近くを飛び回り、最後には王様の鼻の穴に飛び込んだのです。
これには王様も目を覚まし、その直後、敵国の兵士たちが近くまで来ていることに気がつきました。
王様は息をひそめ、間一髪のところで敵兵から逃げることができました。
その後も王様は逃げ回り、今度は大きな洞窟を見つけ、奥の方まで入って休むことに。
すると、疲労がたまっていた王様は、またそこで眠ってしまったのです。
しばらくして、隣国の兵士たちがその洞窟の前までやって来て、「おい、もしかするとここにいるんじゃないか?」と洞窟の中に入ろうとしました。
しかし、その洞窟の入り口にはクモの巣がたくさん張られていました。
じつは、王様が洞窟の中に入った後、クモが入り口に巣を張っていたのです。
それを見た敵国の兵士たちは「クモの巣が張ってあるんだから、直近でここには誰も入っていないだろう。」と言って立ち去りました。
このように、皮肉にも王様は大嫌いなハエとクモに命を助けられたのです。
嫌いな人とはできるだけ顔を合わせたくないですよね。
人生は、いつ、何が起こるか誰にもわかりません。
もしかすると、この話のように、あなたが前から【嫌いな人】が、何かのキッカケで《あなたの救世主》になるかもしれませんよ。
『怨親平等』であれ
私たちは、いろんなものに対して【好き嫌い】があります。
そして、それは人間関係においても同じで、好きな人がいれば嫌いな人もいます。
人には必ず『個性』があり、それを好むか否かは人それぞれです。
なので、すべての人から好かれる、反対に、誰にも嫌われない、というのは不可能です。
仏教には『怨親平等(おんしんびょどう)』という言葉があります。
これは、
敵を怨まず、親しい仲間だけをひいきせず、両者を平等に扱うこと。
という意味です。
あなたが生きていく上で、嫌いな人を避け続けるのではなく、好きな人と同じように接することができれば理想的です。
もしかすると、あなたは今、嫌いな人の一面だけしか見えていないのかもしれませんよ。
他の人たちと同じくらいに接する機会が増えれば、他の側面が見えてくる可能性も十分にあります。
人の心はちょっとしたことがキッカケで変わります。
「昨日の敵は今日の友」という言葉がありますが、まさにそのとおり。
ずっと嫌いだったのに、ひょんなことから親しくなってしまうのはよくあることです。
無理にでも嫌いな人と付き合えというわけではありませんが、今よりも少しだけおおらかに接することで意外な未来が待っているかもしれませんよ。
まとめ
じつは、私にも昔から嫌いな人がいます。
しかし、私が今こうして僧侶をしていられるのはその人のおかげなんです。
ですから、人生は何が起きるか本当に分かりません。
また、お釈迦様は「私たちには、憎い人と会わなければいけない苦しみがあり、それを乗り越えた先に悟りがある。」と説いています。
ですから、私たちは嫌いな人と会うことを避けずに、それを乗り越えていかなきゃダメなんですね。
先ほど紹介した話のように、もしかすると、あなたの【嫌いな人】があなたを救う存在になるかもしれません。
もちろん、どうしても嫌いな人とは仲良くできませんが、いつも避けるのではなく、できる範囲で大らかに接した方があなたに幸運が舞い込むかもしれませんよ。
※こちらの記事もご参考にどうぞ。