【人間万事塞翁が馬】私たちの『幸福』と『不幸』は表裏一体である

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人間万事塞翁が馬

人生は、いつ、どこで、何が起こるか分かりません。

幸福だと思っていたことが、あるとき急に不幸に転じてしまうこともあります。

中国の昔話で、『人間万事塞翁が馬』という話があり、これは【人生の幸、不幸は予測できない】ということを教えたものです。

本記事では、その『人間万事塞翁が馬』について、仏教との関係をふまえて詳しく紹介しています。

物事を多面的に見ることの大切さが分かりますので最後まで読んでみてください。

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人間万事塞翁が馬

人生の幸、不幸は誰にも予測ができません。

それを教えているのが『人間万事塞翁が馬(にんげんばんじさいおうがうま)』という中国の話です。

とても興味深い教えなのであなたにもお伝えしたいと思います。

話の内容は以下のとおり。

とある国境のほとりに町がありました。

その町に、老人男性とその息子が暮らしていました。

老人は馬を飼っていましたが、ある日その馬が逃げてしまったのです。

それを見た周囲の人は「気の毒だったね。」と老人を慰めました。

しかし、老人は「これが不幸だとは限らないよ。」と言い、少しも落ち込んだ様子はありません。

それから月日が流れ、なんとその馬が帰ってきました。

しかも毛並みの良い上質な馬を何頭も連れて帰ってきたのです。

これを見た周囲の人は「何と幸運なことだろうか!」と老人に言いました。

しかし、老人は「これが幸運だとは限らないよ。」と言い、少しも喜びません。

数日後、老人の息子が馬に乗っていたところ、落馬をして足に大ケガを負いました。

周囲の人が「かわいそうなことになったね。」と言うと、また老人は「いや、これが不幸なことだとは限らないよ。」と言ったのです。

それからしばらくして、隣国の兵士たちが国境を超えて町に攻めてきました。

町の若者たちはみんな戦い、多くの若者が亡くなりました。

しかし、老人の息子は足に大ケガをしていたので、戦いに行くことはなく無事だったのでした。

この話は【人生は何が幸いして何が災いとなるか分からない。その時々で一喜一憂せず、物事を深く多面的に考えることが大事である】と教えたものです。

生きていればいろんな出来事がありますが、何が幸福で何が不幸なのか、ということが後になってから分かることもあります。

なので、嬉しいことがあれば、そのときはもちろん喜んでかまいませんが、いつまでも余韻に浸らず、すぐに自分を律することが大事です。

逆に、悲しいことがあったときは、将来必ず幸福が訪れると、できるだけ早く前向きな思考に切り替えることが大事です。

人生にはいろんな出来事がありますが、そのときの感情だけで物事を考えると正しい判断ができません。

まずは一呼吸おいて、そこからさらに一歩踏み込んでいろんな角度から考えると適切な判断ができます。

そうすれば、後悔をする回数は減って、逆に幸福の数が増えていくでしょう。

と、エラそうに言っていますが、この話は僕自身がよく肝に銘じておかなくてはいけないことだと思っています。

『人間万事塞翁が馬』は仏教の『不二』に似ている

『人間万事塞翁が馬』の話は、仏教の『不二(ふに)』の教えに似ています。

『不二』というのは、

物事には二つの面があるように見えても、本質は一つである。

という教えです。

例えば、紙には表面と裏面がありますよね。

表面だけの紙はありませんし、反対に裏面だけの紙もありません。

表面と裏面の二つの面があってはじめて一枚の紙として存在できます。

これと同じで、

  • 逃げた馬が、他の上質な馬を連れて帰ってきた。
  • せっかく上質な馬に乗っていたのに、落馬をして大ケガを負った。

という、それぞれの『運』もまた不二です。

『不運』だと思っていたことが、状況によっては『幸運』に変わります。

逆に『幸運』だと思っていたことが、状況によっては『不運』に変わってしまいます。

このように『運』というのは『幸運』と『不運』の両面があり、どちらになるかは状況や考え方次第なのです。

まとめ

人生の幸、不幸というのは予測できません。

何が幸いして何が災いとなるか、それがいつまで続くのか、そんなことは誰にも分かりません。

なので、その時々で一喜一憂せず、物事をもう少し深く、そして多面的に考えることが大事です。

物事には二面性があります、また、その二面性があるからこそ存在できます。

そして、その二面性は、状況や考え方次第で変わってしまうものです。

嬉しいことがあっても余韻に浸り過ぎず、逆に嫌なことがあったら早く前向きな思考に切り替えましょう。

そうすれば、あらゆる場面で適切な判断ができ、後悔の少ない人生を送ることができると思います。

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