私たちは、いつか必ず【命の終わり】を迎えます。
多くの人は、自分の【命の終わり】が近くなると、自らの人生を振り返ります。
じつは、いよいよ最期を迎えるときになると、どこからともなく声が聞こえてきて、3つの質問をされるそうです。
はたして最期にどのような質問があり、それが何を意味するのでしょうか?
この記事を書いている私『ちょっき』は、お坊さん歴29年以上。お坊さんに関する裏話や、人間関係の悩みを解消する内容について発信しています。
いつ【命の終わり】を迎えるか分からない
人の命はいつ終わりを迎えるか分かりません。
その日の朝いつものように挨拶をした人が、数時間後には息を引き取ってしまうこともあります。
私の祖父は、「お腹が痛いから病院へ行ってくる。」と言って病院へ行き、その日の深夜に亡くなりました。
祖父はかなりの病院嫌いだったこともあり、痛みがあっても病院へ行かない人でした。
しかし、とうとう痛みを我慢できず病院へ行ったところ、末期の肝臓ガンが見つかり、そのまま入院をするも数時間後には亡くなってしまいました。
そのとき私は「人間はいつ亡くなるか本当に分からないんだな。」と命の儚さを痛感したのを覚えています。
いつ命を終えてしまうか分からないのであれば、毎日を無駄にすることなく、後悔のない充実した人生を送りたいものです。
命を終える直前に聞こえてくる3つの質問
以前に先輩のお坊さんからこんな話を聞いたことがあります。
人が命を終える直前には、どこからともなく声が聞こえてきて、3つの質問をされるそうだ。その答えによって、その人の人生の満足度が分かるらしい。
これはもちろん比喩的な表現ですが、自分の人生を振り返るヒントとして語り継がれている話なのだそうです。
はたして3つの質問とはどのようなものなのでしょうか。
【質問その1】あなたは、この生涯で十分に学びましたか?
まず1つめの質問は『あなたは、この生涯で十分に学びましたか?』です。
私たちは、多くのことを学ぶために命を授かるのだそうです。
多くのことを学び、実践を積み重ねることで大きく成長し、その経験や知識をあの世へ持って行きます。
いろんなことに興味を持ち、それらについて積極的に学んでいくと、見聞が広がり豊かな人生を送ることができます。
また、興味を持った物事をとことん追求していくことで、人生において大きな充実感や達成感を得ることもできます。
つまり、この質問では「いろんな学びを通じて豊かな人生を送れましたか?」ということを問われているわけです。
【質問その2】あなたは、この生涯で自分の使命を果たしましたか?
2つめの質問は『あなたは、この生涯で自分の使命を果たしましたか?』です。
私たちは、人それぞれに使命を与えられて生まれてくるそうです。
例えば、
- 誰かを守り抜くこと
- 誰かに愛されること
- 新しい何かを生み出すこと
など、使命の内容は人それぞれ。
しかし、自分に与えられた使命が何なのかを誰かに教えてもらうことはできません。
自分の使命が何かを見つけるためには、しっかり自分自身と向き合う必要があります。
自分のするべきこと、自分が本当にしたいことなど、自分が生きている意味を考え続けていくうちに《自分の使命》が見つかるでしょう。
自分の使命を見つけたら、それをやり抜くことでより一層【自分の存在意義】を感じることができます。
この質問では「自分のやるべきことを全うし、ちゃんと自分自身を認めてあげることができましたか?」と問われているのです。
【質問その3】あなたは、この生涯で十分に愛しましたか?
3つめの質問は「あなたは、この生涯で十分に愛しましたか?」です。
私たちは、この世でたくさんの『愛』に触れます。
生まれたときは両親をはじめ多くの人から愛され、成長すれば誰かを愛し、そして自分の大切なものを愛します。
誰かに愛され、誰かや何かを愛す、人間社会が存するためにはそのような『愛』が欠かせません。
ところで、なぜ「十分に愛されましたか?」ではなく「十分に愛しましたか?」と質問されているのでしょう?
仏教には、『自分から先に差し出すこと』を重要視した【布施】という教えがあります。
自分から先に差し出すことで、まずは自分自身の気持ちが豊かになり、それにともなって周囲との関係も良好になっていきます。
その結果、自分が満たされ周囲も満たされ、そこにいる皆に大きな幸福感が生まれるのです。
だから、《自分から愛すること》の方が大事であり、そのため「十分に愛しましたか?」と質問されているんですよね。
3つの質問のすべてにYESと答えるために
3つの質問のすべてにYESと答えるために必要なことがあります。
それは【自分に素直に生きる】ことです。
なぜなら、学び、使命、愛、どれも他人の価値観に振り回されては見つけることができないからです。
私たちは自分自身に嘘をつくことも多く、いよいよ最期を目前にしたとき、
- 「もっと好きなことをやっておけばよかった」
- 「仕事ばかりじゃなく、もっと趣味を楽しめばよかった。」
- 「家族との時間をもっと大切にすればよかった」
など、後悔することが多いのだそうです。
ですから、これとは逆に、自分に嘘をつかず【自分に素直に生きる】ことができれば、後悔のない充実した人生を送ることができます。
私の先輩のお坊さんが言うには、【自分に素直に生きる】ためには『自分の死』を起点に考えればいいそうです。
たとえば、『自分があと半年で死ぬことが分かっていたら何をする?』と考えてみます。
きっと、したくもない仕事や、わずらわしい人付き合いなど、自分にとって価値のないものは真っ先に捨てるでしょう。
その他にも、自分にとって優先度の低いものをどんどん捨てていきます。
そうやって最後に残った《本当に大切なもの》こそが、あなたが【自分に素直に生きる】ための原動力になるものです。
本当に大切なものを優先し、自分に素直に生きて、最期を迎えたときには胸を張って3つの質問にYESと答えましょう。
まとめ
私たちは、学び、使命、愛という人生の本質に向き合いながら自分に素直に生きていくことで、後悔のない充実した人生を送れます。
とはいえ、自分に素直に生きることはそう簡単ではありません。
ですから、まずは自分が本当に求めていることを理解して、それを手にするために小さな一歩から踏み出してみましょう。
小さな歩みの積み重ねが、あなたの幸福な人生をつくり出してくれます。
たった一度の人生ですから、自分に素直になって、本当に大切なものを手にする人生を送ってくださいね。
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